深夜の公園でゴルフの練習をしていたら警察に通報されたが、私のショットは犯罪なのだろうか──。こんな相談が弁護士ドットコムに寄せられました。
都市部に住む相談者はある日、会社の飲み会に参加してビール3杯飲んだそうです。帰宅後の23時ごろ、ゴルフの練習をしようと芝生のある公園に向かいました。
芝生の広さは縦200メートル・横60メートルほどで、ショートアイアンで約90メートルほど飛ばす練習を10球ほど繰り返したそうです。周りに人がいないのを確認しながら打っていましたが、芝生の外側に設置されていたランニングコースを走っていたランナーに警察へ通報されたようです。
駆けつけた警察官に事情聴取をされ、後日警察署に来るよう言われてしまった相談者は、「前科がつくようなことがあるのだろうか」と心配していますが、実際はどうなのでしょうか。加藤孔明弁護士に聞きました。
●ゴルフ練習自体は「犯罪に該当する可能性は低い」
──公園の芝生スペースでゴルフの練習をしたら、何らかの犯罪に当たるのでしょうか
公園の芝生スペースでゴルフの練習をすることだけで、何らかの犯罪に該当する可能性は低いでしょう。
もっとも、ゴルフクラブの素振りやボールを打っている最中に、人に当たった場合には、傷害罪や過失致傷罪に問われる可能性もありますし、他人の物を壊してしまった場合には、器物損壊罪に問われる可能性もあります。
また、怪我をさせた場合、芝生の広さや時間帯、人の有無などによっては、重過失致傷罪に問われる可能性もあります。
刑法犯以外でも、その都市の条例の内容によっては、他の犯罪に問われる可能性も否定できません。
なお、ゴルフクラブをケースに入れずに持ち歩いた場合、軽犯罪法違反に問われる可能性もありますので、気をつけた方が良いですね。
●警察からの呼び出しは「お説教に近いものになるのではないか」
──「公園でのゴルフ禁止」などが明示されていた場合はどうでしょうか
単に公園内で「ゴルフ禁止」等が掲示されているだけであれば、犯罪の成否には影響を及ぼさないと考えられます。もっとも、その他の条例の内容によっては、別途犯罪に該当する可能性は否定できません。
──後日警察署に来るよう言われたそうですが、これはどのような意味があるのでしょうか
前述のように、犯罪に該当する可能性は高くありません。
そのため、警察からの呼び出しについては、「気をつけるように」「今後しないように」といった内容のお説教に近いものになるのではないかと思います。