バイト先に筋トレ器具を持っていくのは違法ですか──。こんな一風変わった相談が、弁護士ドットコムに寄せられた。
相談者は、レジ打ちや警備などの立ち仕事の合間に、ダンベルやハンドグリップを使って体を鍛えたいと考えているようだ。
たしかに、仕事のちょっとした空き時間を筋トレに使えれば、効率よく体を鍛えられそう。
しかし、勤務中にダンベルを握ったり、筋肉を追い込んだりすることは、法的に許されるのだろうか。
弁護士業のかたわら、社会人アメリカンフットボール「Xリーグ」の選手としてプレーし、人気番組「SASUKE」への出場経験もある西口竜司弁護士に聞いた。
●勤務中の筋トレはNG? 休憩時間なら自由?
──ハンドグリップやダンベルなどの筋トレ器具を職場に持ち込み、勤務時間中にトレーニングをすることは、法的に問題ありませんか。
結論から言えば、筋トレ器具を職場に持ち込むこと自体が、直ちに犯罪などの「違法行為」になるわけではありません。
ただし、勤務時間中に筋トレをすることには注意が必要です。
労働者は労働契約に基づき、勤務時間中は使用者の指揮命令に従い、職務に専念する義務を負っています。
たとえ立ち仕事の合間であっても、勤務時間中に私的なトレーニングをおこなえば、その時間や業務への支障の程度によっては、職務専念義務に違反する可能性があります。
場合によっては、就業規則違反として懲戒処分の対象となることも考えられます。
──では、休憩時間であれば、自由に筋トレしてもよいのでしょうか。
休憩時間中であれば、話は変わってきます。
労働基準法34条3項は、使用者に対して、労働者に休憩時間を自由に利用させることを義務付けています。
そのため、休憩時間中にハンドグリップやダンベルを使って体を鍛えることは、原則として自由です。
ただし、何をしてもよいというわけではありません。
会社には、職場の施設を管理する権限(施設管理権)や、職場の秩序を維持する権限があります。
たとえば、重いダンベルを振り回して周囲の人に危険を及ぼしたり、器具が通行の妨げになったりするような場合には、会社が使用を制限することも考えられます。
トラブルを避けるためにも、あらかじめ職場のルールを確認し、勤務先の了承を得ておくのが無難でしょう。
●法律事務所にもダンベル「一緒にアメフトしましょう」
──西口弁護士自身は、仕事の合間に体を動かすことはありますか。
私の事務所には、トレーニングチューブやダンベルなどの器具を置いています。仕事で疲れたときには、軽くトレーニングをしています。
特別な道具がなくても大丈夫です。首をストレッチしたり、肩を回したりするだけでも全然いいと思います。
デスクワークには肩こりがつきものですが、体を動かして血流をよくすると、肩周りもほぐれて、仕事に集中しやすくなります。
私は週3回ジムに通い、週1回アメフトの練習に参加していますが、仕事のストレス発散になるばかりか、よく眠れるようになるので、仕事の能率も上がっています。
弁護士の仕事も何かとストレスがかかりますから、ほかの弁護士にも無理のない範囲で運動することをおすすめしたいですね。特に若手の先生は、ぜひとも体を動かしてほしいです。一緒にアメフトしましょう!