「信用していた人だと思って連帯保証人になったのに、裏切られた」
こんな相談が弁護士ドットコムに寄せられている。
相談者は知人に頼まれて連帯保証人になり、その後、支払督促が届いたという。
しかし、「払ったら損になる」と考え、支払いに応じていないという。“裏切った”相手に慰謝料を請求できないか、というのが相談の中身だ。
連帯保証人になるとは、どういうことなのか。お金の問題にくわしい冨本和男弁護士の監修による解説をお届けする。
●連帯保証人は「借りた人と同じ」
──連帯保証人になると、どうなるのでしょうか。
借りた本人と同じ立場になります。
通常の保証人なら「まず本人に請求してください」と言えますが、連帯保証人は言えません。貸した側は本人を飛ばして、いきなり全額を請求できます。保証人が何人いても、一人で全額です。
──「裏切られた」として、慰謝料を請求できますか。
できません。代わりに払った分を本人に請求できるだけです。
最初から返す気がないのに「迷惑はかけない」と嘘をつかれた場合は別ですが、そう言われたことを証明しなければならず、簡単ではありません。
●払わないことと、何もしないことは違う
──相談者は「払ったら損」だと話しています。
それがいちばん危ない。
裁判所から届く「支払督促」は、2週間放っておくと、「仮執行宣言の申立て」をされるはずです。
「仮執行」というのは判決が確定した場合と同様に給料や預金の差押えができる手続です。「支払督促」を2週間放置していた場合、「仮執行宣言付支払督促」が届いて給料や預金を差し押さえられる可能性があります。
「仮執行宣言付支払督促」は届いてから2週間異議を申立てすることができますが,それでも強制執行は止められません。裁判所から「仮執行宣言付支払督促」が届いたのに2週間放っておいた場合、仮執行宣言付支払督促が確定し、争う道がなくなります。
納得できないなら、2週間以内に「争います」と書いて出してください。理由は後から述べれば足ります。届いた書類は捨てずに、できれば弁護士に見せてほしいです。
●引き受ける前に、聞いていい
──これから頼まれた人は。
よくわからなければ断るのが一番ですが、それでも引き受けるなら、相手にいくら借金があるのかを聞いてください。
2020年から、事業用の借金(事業資金など)を頼む側には、借入れの状況などを答える義務ができました。嘘や隠しごとがあれば、契約を取り消せることもあります(※個人のプライベートな借金には適用されません)。
契約したあとも、きちんと返しているかを貸した側に確認できます。聞きにくいことではなく、法律で認められた権利です。