「不倫をした妻とは、もう一緒に暮らせない」——。
妻の不倫が発覚した男性から、弁護士ドットコムに相談が寄せられました。
男性は離婚調停を申し立てる予定ですが、不倫の証拠を示したうえで、自宅の鍵を交換して妻を自宅に入れないようにしたいと考えています。
また、調停が終わるまで子どもを妻に会わせたくないそうです。
不倫の有責配偶者だとしても、、自宅から締め出したり、子どもとの面会を一方的に拒否したりすることはできるのでしょうか。離婚問題にくわしい近藤美香弁護士に聞きました。
●不倫した妻を一方的に締め出すことはできない
──配偶者の不倫が発覚した場合でも、自宅の鍵を交換して締め出すことは法的に認められるのでしょうか。
配偶者に不倫されて、怒り心頭になる気持ちはよく分かります。不貞行為は、夫婦だけでなく家族への裏切り行為と感じる場合もあるでしょう。配偶者の顔さえ見たくなくなることもあると思います。
だからと言って、配偶者を「自宅から締め出すことが法的に認められる」ことはありません。
不貞行為と、配偶者を自宅から締め出すことは、全くの別問題です。
ただ、配偶者が不貞行為をしたことで、これ以上同居生活を続けることができないと感じる場合などに、配偶者と別居することは可能です。
その場合でも、配偶者をいきなり締め出すのではなく、自分が家を出るか、配偶者と話し合って、自ら退去してもらうといった方法をとるべきです。
●自分名義の自宅なら離婚後に退去請求も
また、配偶者の不倫を理由として離婚を決意した場合は、配偶者に対して離婚訴訟を提起することで、離婚が認められる可能性があります。
自宅が自身の名義であれば、離婚成立後に、配偶者に対して退去を要求することが可能です。
●不倫問題があっても親子関係とは別
──離婚調停中、子どもとの面会交流については、同居している親の判断だけで拒否できますか。不倫を理由に面会を認めないことは可能なのでしょうか。
親子交流は、子どものために行われるべきと考えられています。したがって、同居している親だけの判断で、一方的に親子交流を拒否することは認められません。
これは、配偶者が不倫をした場合でも同じです。不倫は夫婦間の問題であって、親子関係とは別と考えられているからです。
不倫は、夫婦間においては離婚事由となり得る程の重要な問題ですが、親子関係を断絶させる理由にはなりません。
少しでも子どもの負担を減らせるよう、親子関係については冷静に考えることが大切です。