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ファストフード店で転んで「全治3カ月」の骨折、掃除中で滑りやすく…治療費や慰謝料もらえる?
写真はイメージで本文とは関係ありません(OrangeBook / PIXTA)

ファストフード店で転んで「全治3カ月」の骨折、掃除中で滑りやすく…治療費や慰謝料もらえる?

「ファストフード店で転倒して骨折しました」

そんな相談が弁護士ドットコムに寄せられています。相談者によると、ファストフード店を訪れた際、床が清掃中で滑りやすくなっており、スリップして転んでしまったとのことです。

床には仕切りや清掃中の表示などはなく、わかりづらかったといいます。相談者自身も、スニーカーを履いており、特に滑りやすい靴ではありませんでした。

転んだ結果、相談者は利き腕を骨折してしまったそうです。1カ月間はギプス生活で、完全に治るまでには3カ月かかる見込みです。相談者は店側に対して治療費を請求したいと考えていますが、可能でしょうか。

また、店側の責任が認められた場合には、骨折によって仕事を休まざるを得なかったことや、日常生活に影響してプライベートの予定もキャンセルせざるを得なかったことに対する慰謝料を請求できるのでしょうか。大和幸四郎弁護士に聞きました。

●店に「安全配慮義務違反」の可能性

——床の清掃中に客が転倒してしまった場合、店にはどのような法的責任があるのでしょうか。

飲食店は食べ物を提供するほかに、客が安全に食事できるようにする安全配慮義務を負っています。

清掃中の床は滑って転びやすいといえます。客が清掃中の滑りやすい場所を通行することが十分予想されるのであれば、わかりやすく客に清掃中であることを知らせることも安全配慮義務にあたると考えます。

今回のケースでは、仕切りや清掃中の表示などはなく、わかりづらかったようなので、店は、過失による安全配慮義務違反があるとして、損害賠償責任を負うと考えます。

●店に責任あれば治療費などの支払い義務あり

——店の過失が認められた場合、客はケガに対する治療費を払ってもらえるのでしょうか。

過失が認められた場合、店は客に生じた損害を賠償する責任を負います。まず、ケガに対する治療費の支払い義務が生じますので、客は治療費を払ってもらえるでしょう。

また、休業損害に対する賠償も請求できると思います。さらに入通院慰謝料や交通費も可能でしょう。もし後遺症が残れば、それに対する慰謝料や逸失利益もありうるでしょう。

ただし、仕事やプライベートでの予定変更などに対する慰謝料等は支払ってもらえないでしょうね。なぜなら、これらについては、事故の時点で、店には予測は難しいからです。

私もよくファストフード店は利用しますが、店には美味しい食事を提供する以外にも、客が安全に食事できるよう、清掃のときには、それがわかるように、目立つ場所に「清掃中」などの看板を掛けてほしいと思います。

この記事は、公開日時点の情報や法律に基づいています。

この記事は「みんなの法律相談」に寄せられた実際の相談をもとに、新たに弁護士の解説を追加して作成しています。

プロフィール

大和 幸四郎
大和 幸四郎(やまと こうしろう)弁護士 武雄法律事務所
佐賀大客員教授。1988年中央大学法学部法律学科を卒業・1996年司法試験合格。

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