「生理とか病気じゃねえだろ 甘えんなよ!」
生理休暇を申請したら、上司からそんな言葉を浴びせられたという女性から弁護士ドットコムに相談が寄せられています。
ある女性は、生理痛が重く、吐き気やめまい、強い腹痛で日常生活も困難になるときがあるといいます。それでも出勤を続けていましたが、ある日、激痛に襲われ、限界を感じて「生理休暇をとらせてほしいのですが…」と申し出ました。
ところが、上司から返ってきたのは「そもそも人が足りねえんだよ 何考えてんだ。女はいいよなー。生理って甘えれば今まで休めただろ。ごちゃごちゃ言ってないでさっさと仕事に行け」という怒鳴り声でした。
また別の相談では、生理休暇を取得した女性が上司から呼び出され「どうしてピルを飲まないのか。治そうという努力が足りない」と責められたといいます。
女性たちは「生理休暇を取らせてもらえないことは、法的に問題ないのでしょうか」と悩んでいます。
働く女性の健康を守るために設けられた「生理休暇」ですが、制度への理解はいまだ十分とはいえません。職場での対応に法的な問題はないのでしょうか。森田梨沙弁護士に聞きました。
●「生理休暇」は労基法で保障された権利
──「生理休暇」とは法的にどのようなものなのでしょうか。
生理休暇は、労働基準法68条に明記されています。「使用者は、生理日の就業が著しく困難な女性が休暇を請求したときは、その者を生理日に就業させてはならない」と定められており、企業には休ませる義務があります。
「著しく困難」とは、個人差があるものの、たとえば痛み止めを使っても痛みが治まらない場合などが該当すると考えられます。休暇取得の際に医師の診断書のようなものは必要ありません。
●拒否は違法、会社には罰則も
──人手不足などを理由に休暇を拒否された場合、違法になりますか
生理休暇は法律に定められている休暇であるため、従業員が請求すれば、企業は認めなければなりません。
「人手が足りない」といった理由でこれを拒否すれば違法となり、労働基準法120条1号により、会社には30万円以下の罰金が科せられる可能性があります。
●上司の発言はハラスメントにあたる?
──相談にあるような上司の言動はどう評価されますか。
発言の経緯や状況など、もう少し詳しく聞いてみる必要はありますが、従業員の人格を否定したり、女性の身体に特有の事情を揶揄する発言により、職場環境を害するものと評価されれば、セクハラやパワハラに該当します。今回のご相談にある発言も、そのように評価される可能性は十分にあります。
──生理休暇を認めてもらえない場合、従業員はどう対応できますか。
会社が生理休暇の取得を拒む場合、都道府県労働局の雇用環境・均等室や総合労働相談コーナーに相談できます。行政から助言や指導を受けることで、問題解決を図ることが可能です。