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ママ友の不倫を匿名告発→探偵まで雇って「絶対に犯人探す」と大騒ぎに…もしバレたら罪に問われるのでしょうか?
Peak River / PIXTA(ピクスタ)

ママ友の不倫を匿名告発→探偵まで雇って「絶対に犯人探す」と大騒ぎに…もしバレたら罪に問われるのでしょうか?

「ママ友の不倫写真」とされる証拠を入手し、匿名でママ友の夫に送ってしまった──。

こんな相談が弁護士ドットコムに届いた。このママ友は探偵を雇い、彼女の夫に写真を送った「犯人探し」に本格的に乗り出したという。

写真などに残された「指紋」まで調べると息巻くママ友が、いつ自分にたどりつくのかという恐怖に相談者はおびえている。

バレたら罪に問われてしまうのだろうか。男女トラブルにくわしい澤藤亮介弁護士に聞いた。

●名誉毀損罪にあたるか

──今回の相談者は「ママ友の不倫写真」をママ友の夫に送りつけたそうです。特定されたら、法的責任を問われますか。

「ママ友の不倫写真」をママ友の夫に送りつける行為について、名誉毀損罪(刑法230条)の成立が考えられます。

名誉毀損罪が成立するためには「公然と」事実を摘示する必要があります。

相談事例のようにママ友の夫のみに送りつける場合は、ことの性質上、夫が、他人に言いふらす可能性は一般的には低いといえるので、「公然と」の要件が満たされる可能性は考えにくいでしょう。

●迷惑防止条例違反に該当するか

他方で、刑法上の名誉毀損罪には至らずとも、各都道府県が定める「迷惑防止条例」に抵触する可能性は考えられます。

多くの自治体では、特定の者への「怨恨その他の悪意の感情」を充足する目的で、執拗に、あるいは相手の平穏を害するような方法で、文書や写真などを送りつける「嫌がらせ行為」を禁じています。

匿名で不倫写真を送りつけ、家庭の平穏を積極的に脅かす行為は、その回数などによっては、条例違反として刑事罰や禁止命令の対象となり得ることもあるので注意が必要です。

●プライバシー権の侵害が認められる可能性

──民事上の責任はどうでしょうか。

民事上の責任については、ママ友の名誉やプライバシーを不当に侵害したとして、不法行為(民法709条)が成立する可能性がある程度高いといえます。

不倫自体は決して褒められる行為ではないとしても、「他人に知られたくない私生活上の情報」であることに変わりはなく、それを不必要に配偶者に知らせる行為は、法的な保護に値するプライバシーの侵害と判断される可能性があります。

──ママ友の「犯人探し」によって送信者が特定されると、どのような展開が考えられますか。

内容証明などを通じて慰謝料を求められ、ときには裁判で被告としての対応を迫られる可能性も出てきます。

実際に、不倫した配偶者の親族に対し、不倫に関する手紙を送付した行為が名誉権ないしはプライバシー権を侵害する不法行為と認定して慰謝料の支払いを命じた裁判例も複数あります(東京地方裁判所令和2年2月10日判決等)。

●結論…このような行為はしないほうがいい

不倫写真をママ友の夫に送りつけるのは、結果として自分自身の生活や財産を脅かす可能性のある危険な行為とも言えます。法的な観点からは、感情にまかせた不必要な行為は控えることが賢明な判断です。

この記事は、公開日時点の情報や法律に基づいています。

この記事は「みんなの法律相談」に寄せられた実際の相談をもとに、新たに弁護士の解説を追加して作成しています。

プロフィール

澤藤 亮介
澤藤 亮介(さわふじ りょうすけ)弁護士 向陽法律事務所
東京弁護士会所属。2003年弁護士登録。2010年に新宿(東京)キーウェスト法律事務所を設立後、離婚、男女問題、相続などを中心に取り扱い、2024年2月から現在の法律事務所でパートナー弁護士として勤務。自身がApple製品全般を好きなこともあり、ITをフル活用し業務の効率化を図っている。日経BP社『iPadで行こう!』などにも寄稿。ご相談のご予約は、web上のカレンダーで空き状況をご確認いただきつつweb上で完結することができます。

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