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路上でつばや嘔吐、これって犯罪?軽犯罪法が問題になるケースを弁護士が解説
写真はイメージ(polkadot / PIXTA)

路上でつばや嘔吐、これって犯罪?軽犯罪法が問題になるケースを弁護士が解説

路上でつばを吐いたり、嘔吐したりしたら、「犯罪」になってしまうのか──。

多くの人が一度は目にしたことがありそうなこの行為について、弁護士ドットコムに相談が寄せられています。

相談者は、ある日の昼ごろに散歩をしていた際、口の中に違和感を覚えました。「虫が入ったかもしれない」と思い、反射的に歩道につばを吐いてしまったといいます。

こうした経験から、「歩道などの公道でつばを吐くことで逮捕されますか?」と不安を感じている様子です。

また、持病があるという別の相談者は、歩いている途中で吐き気を催し、やむを得ず、道路脇の側溝に吐いてしまったそうです。

こうした路上でつばなどを吐く行為について、何らかの罪に問われることはあるのでしょうか。吉田要介弁護士に聞きました。

●軽犯罪法に該当する可能性も

──路上でつばや食べたものを吐く行為は、犯罪になりますか。

通常は、ただちに犯罪として処罰の対象になるものではありません。

刑法で明確に犯罪として規定されている行為ではなく、「反射的に出てしまった」場合や、体調不良に伴う嘔吐のように、回避が難しい場面も少なくないためです。

ただし、軽犯罪法との関係には注意が必要です。

軽犯罪法1条26号は「公衆の集まる場所で、たんつばを吐き、又は大小便をし、若しくはこれをさせた者」を拘留または科料の対象としています。

そのため、街路や公園など、不特定多数が利用する場所で「故意に」つばを吐く行為は、軽犯罪法に該当し得ると評価される可能性があります。

●いきなり逮捕は極めてまれ

──逮捕や起訴に至ることはありますか。

実務上は、仮に軽犯罪法に形式的に該当し得る場合であっても、いきなり逮捕されたり、起訴されたりするケースは極めてまれです。

多くの場合、まずは警察による注意や指導にとどまり、それで終わるのが一般的です。

刑事事件として問題になるのは、注意を受けても繰り返す、あるいは周囲に著しい迷惑や不快感を与えるなど、悪質性が高いと評価される場合に限られると考えられます。

●他人の車や自転車へのつば吐き──器物損壊罪の恐れ

──他人の車や自転車につばを吐きかけた場合はどうなりますか。

路上ではなく、他人の車や自転車につばを吐きかける行為については、評価が異なります。

器物損壊罪は「物を壊した場合」に限らず、汚損によって本来の使用に支障を生じさせる行為も含むと解されています。

そのため、つばや嘔吐物で著しく汚す行為は、状況によっては器物損壊罪などが成立する可能性があるといえるでしょう。

この記事は、公開日時点の情報や法律に基づいています。

この記事は「みんなの法律相談」に寄せられた実際の相談をもとに、新たに弁護士の解説を追加して作成しています。

プロフィール

吉田 要介
吉田 要介(よしだ ようすけ)弁護士 ときわ綜合法律事務所
千葉県弁護士会所属。日弁連子どもの権利委員会事務局次長、千葉県弁護士会刑事弁護センター委員。法律を「知らないこと」で不利益を被る人を少しでも減らすべく、刑事事件、少年事件、家事事件、一般民事事件等幅広く手がけ、活動している。

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