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別れた後に「無理やりされた」と元カノ、「慰謝料払え、さもなくば通報」…本当に逮捕される?
metamorworks / PIXTA(イメージです)

別れた後に「無理やりされた」と元カノ、「慰謝料払え、さもなくば通報」…本当に逮捕される?

かつての交際相手から「付き合っていたときの性行為は不同意だった」との連絡が届き、戸惑っている──。

そんな男性の相談が、弁護士ドットコムに複数寄せられている。

交際していた女性たちは、警察に被害を相談し、慰謝料を請求してきたという。

しかし、男性たちに強要した記憶はなく、身に覚えがない。そうだとしても、罪に問われる可能性はあるのだろうか。

●困惑する男性「無理矢理行為に及んだことはない」

弁護士ドットコムに相談を寄せた男性Aさんによると、破局からしばらくして、元交際相手の女性から「付き合ってる時に無理矢理セックスしただろ」「(警察に)通報した」といったメールが届いたという。

「無理矢理行為に及んだことは一切ない」。Aさんは突然変貌した女性の態度に戸惑いを隠せない。

別の男性Bさんも、元交際相手の女性から100万円の慰謝料を請求されたという。

この女性は「体調不良なのに性行為を強要された」などとして、不同意性交等罪などに該当すると主張しているというのだ。

Bさんは「体調不良からの回復後に同意を求めた」などと反論するが、それでも慰謝料を支払うべきか不安に感じている。

男性たちは一様に、「当時は合意の上だと思っていたし、相手から求められることもあった」と強要の事実を否定する。

元交際相手から全く身に覚えのない一方的な主張が届いた場合、無視をしてもよいのだろうか。

それとも何らかの対応をしなければ、本当に罪に問われることはあるのだろうか。刑事事件にくわしい加藤孔明弁護士に聞いた。

●弁護士「率直に言って悩ましい問題」

──交際中に性的な行為を強要した記憶がなくても、元交際相手から不同意性交等罪などに該当するとして、罪に問われたり、慰謝料を請求されたりした場合、どのように対応すべきでしょうか。

率直に言って、大変悩ましい問題です。

まず、前提として、不同意性交等罪の施行(2023年7月)の前後で、犯罪の成立要件も異なるため、対応も変わってきます。

施行前であれば、「強制性交等罪」「強姦罪」となりますので、暴行脅迫がなければ犯罪として成立しません。

そのため、元交際相手から無理矢理されたと言われたとしても、暴行脅迫といった事情がないのであれば、犯罪が成立することはないと言えますので、相談者としてはあまり心配する必要はないだろうと思います。

一方、施行後であれば、交際関係があったとしても、相手が同意しないとみなされる類型に該当する場合には、不同意性交等罪に該当する可能性が出てきます。

その上で、今後の流れや、対応策について考えることにしたいと思います。

●警察に通報されたらどうなる?

まず、すでに警察に通報された場合には、少なくとも事情を聞かれることになるだろうと思います。

警察からは、交際していたときの関係性、性行為に及ぶまでの経緯などをくわしく聞かれることになるでしょう。

いきなり逮捕される可能性はそこまで高くありませんが、客観的証拠と思われるようなものがあり、逃亡や証拠隠滅を疑われるような事情があれば逮捕されることもありえます。

最終的に、真摯な交際関係を築いていて、強要したとの証拠も見当たらないと判断された場合は、不起訴となることが見込まれます。

●言われるままに慰謝料を支払うべきか?

━━もし「慰謝料払え。さもなくば警察に行く」と言われたら、どうすればよいのでしょうか

これも難しいところですが、考えられる対応としては、警察に被害届を提出されることを懸念して、慰謝料を支払うのもひとつの選択肢だと言えます。

しかし、金銭を支払いたくない場合には、元交際相手の要求を明確に拒絶することも必要です。拒絶した場合には、元交際相手が警察に被害申告をする可能性があります。

その後の流れは、先ほど解説した通りです。

なお、「慰謝料払え。さもなくば警察に行く」といった元交際相手の発言は、脅迫罪あるいは恐喝罪に当たる可能性があることは付け加えておきます。

いずれにせよ、元交際相手から「無理矢理された」「強要された」「不同意性交等罪などに該当する」など言われた場合には、ひとまず弁護士へ相談の上、対応を考えるのがベストだろうと思います。

この記事は、公開日時点の情報や法律に基づいています。

この記事は「みんなの法律相談」に寄せられた実際の相談をもとに、新たに弁護士の解説を追加して作成しています。

プロフィール

加藤 孔明
加藤 孔明(かとう こうめい)弁護士 神戸カトウ法律事務所
兵庫県弁護士会。刑事弁護センター副委員長・再審法改正検討部会座長、取調べの可視化立会い実現本部本部長代行、近畿弁護士会連合会刑事弁護委員会副委員長などを務める。刑事事件と交通事故を中心に幅広く全国の事案を対応している。

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