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ソシャゲや推し活で借金300万円…親にバレずに債務整理できる? 若者が直面する「自転車操業」地獄
写真はイメージです(Luce / PIXTA)

ソシャゲや推し活で借金300万円…親にバレずに債務整理できる? 若者が直面する「自転車操業」地獄

ギャンブルや「推し活」、ソーシャルゲームへの課金など、一度ハマると抜け出せず、気づけば多額の借金を抱えてしまう人は少なくありません。

では、その借金が膨らみ、生活を圧迫するようになってしまった場合、どうすればいいのでしょうか。弁護士ドットコムにそんな切実な相談が寄せられています。

相談者は若い男性。年収は約300万円ですが、「推し活」やソシャゲ課金が重なり、借金総額は300万円を超えました。毎月の給料の半分以上が返済に消える「自転車操業」状態だといいます。

突発的な出費があると生活費が足りなくなり、タイミーでバイトをして補う日々。親に知られずに債務整理を進めたいと考え、「任意整理」か「個人再生」を検討しているそうです。

ただ、個人再生を選ぶと、「家族の所得情報が必要になるのではないか」、「世帯主宛に郵便物が届くことで家族に借金がバレてしまうのではないか」と不安を抱えています。

趣味による借金は債務整理の対象になるのか、そして、家族に内緒で手続きを進めることは可能なのか。多重債務で悩む多くの人が直面するこの問題について、古里貴大弁護士に聞きました。

●任意整理と個人再生、どちらを選ぶべき?

──ソシャゲ課金や「推し活」といった趣味が原因の借金でも、任意整理や個人再生の対象になりますか。

趣味が原因の借金であっても、任意整理や個人再生の手続きを利用することは可能です。

──年収約300万円で借金総額が300万円を超える場合、月々の返済負担を軽くするには、どちらを選ぶのがよいでしょうか。

個人再生を選択したほうが、月々の返済負担を減らせる可能性が高いと思います。

任意整理では、債権者と支払金額や返済期間などを交渉しますが、元本部分を減らすことは難しく、債権者によっては短期間の分割しか応じてくれない場合があります。そのため、返済負担を大きく減らすのは容易ではありません。

一方、個人再生では、債務額に応じて「最低弁済額」が定められています。債務額が100万円以上500万円未満の場合、最低弁済額は100万円で、弁済期間は原則3年。相談者に資産がなければ、計算上、月々の返済負担をおよそ2万8000円程度まで減らすことができます。

実際に手続きをする場合、月々の返済以外にも、裁判所費用や弁護士費用などは別途かかりますが、それらを含めても個人再生のほうが負担を軽減できる可能性が高いでしょう。

●個人再生は「官報」に公告される

──家族と同居している場合、内緒で任意整理や個人再生を進められますか。

弁護士に依頼する場合、家族に知られずに手続きを進められるケースもあります。裁判所からの連絡や書類は基本的に弁護士に送られますし、弁護士からの連絡や郵送物も、事前に配慮を求めることで、家族に気づかれにくい方法で対応してもらえると思います。

ただ、個人再生では、手続開始時などに氏名や住所などが「官報」で公告されます。官報を目にする人は多くないと思いますが、掲載情報から家族に知られてしまう可能性を完全にゼロにはできません。

また、家族の収入資料の提出が求められることもあります。返済計画を本人の収入のみに基づいて作る場合であれば提出せずに手続を進められる可能性がありますが、家族の収入も含めて作成する場合には、資料の提出が必要になると考えたほうがいいと思います。

●任意整理と個人再生以外の方法は?

──任意整理と個人再生以外に、取れる方法はありますか。

任意整理と個人再生のほかに「自己破産」という選択肢もあります。

自己破産は、裁判所から免責を受けることで借金の返済義務がなくなる制度です。浪費など「免責不許可事由」がある場合でも、経済生活の再生の観点から実際には免責が認められることが多いです。

今回の相談者の場合も、免責が認められる可能性はあるでしょう。自己破産も選択肢に入れて検討されるのが良いと思います。

なお、家族に知られずに手続きが進められるかどうかについては、自己破産も個人再生も大きな違いはありません。

この記事は、公開日時点の情報や法律に基づいています。

この記事は「みんなの法律相談」に寄せられた実際の相談をもとに、新たに弁護士の解説を追加して作成しています。

プロフィール

古里 貴大
古里 貴大(ふるさと たかひろ)弁護士 にっぽり総合法律事務所
消費者被害や事故(施設事故や交通事故など)による損害賠償請求を多く手掛け、社会福祉法人の理事を務めるなど社会福祉分野にも積極的に取り組んでいる。倒産分野では法人・個人の破産事件を中心に申立多数。破産管財人としても活動している。

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