刑法で公然性を検討する際の「多数」の定義に関して

公開日: 相談日:2013年06月08日
  • 3弁護士
  • 4回答

刑法第174条の公然わいせつや刑法第230条の名誉毀損を検討する際、不特定又は多数の人に対して問題な行為を行ったかどうかが議論されると思いますが、その際の「多数」とはどれくらいの人数のことを想定しているのでしょう?
5、6人でも「多数」と言える、といった記事を見たこともありますが何か判例等で定められていたりはするのでしょうか?

183126さんの相談

回答タイムライン

  • 高岡 輝征 弁護士

    注力分野
    犯罪・刑事事件
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    最低値は3名ではないでしょうか?
    2名は、「複数」ですから。

    ただ、犯行態様の悪質性、法益侵害の程度、社会的影響等が考慮されるので、かなりの多数(1つのコミュニティ内のなかに広がるくらい)ではないと、刑事事件として立件はされないと思います。

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     3名では「多数」とは言えないと思います。
     「数名」と言ったときにイメージするのは5、6名ですから、多数と言えば、何人とは数えられなくても、それ以上のイメージがあります。

     公然わいせつの場合は、誰かが通報すれば警察が駆けつけてくると思いますが、名誉毀損の場合に警察が動くとすれば、一定の地域に相当広く知れ渡っている場合、のような印象がありますね。

  • 相談者 183126さん

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    ありがとうございます。

    3名ですか。
    コミュニティ内に広がるぐらいで無いと立件は難しいとのことですが、それは可罰的違法性が弱いと判断されるのでしょうか?
    また、その場合、4人5人と「多数」の人が増えていくにつれて違法性も高まっていくという理解で良いのでしょうか?

  • 弁護士ランキング
    埼玉県1位
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     殆ど無意味な議論です。ケースバイケースで具体的事件に応じて考えるしかありません。抽象的には、名誉棄損罪における「公然」とは、不特定または多数の者が認識し得る状態を言います。「認識しうる状態」ですから、実際に認識したことを要しません。また、特定かつ少数に対して、告知した場合でも、伝播性が予見でき、伝播される事を期待して実行すれば、名誉毀損罪は成立します。ですから、1人に告知した段階でも名誉棄損は成立することはあり得るのです。しかし、犯罪が理論的に成立するか否かという問題と、現実に警察が摘発するかという問題は別の問題ですから、1人に告知した段階で警察が動くことは殆どないでしょう。

  • 高岡 輝征 弁護士

    注力分野
    犯罪・刑事事件
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    萩原先生のおっしゃるのは確かにそうです。
    いわゆる「伝播性の理論」といいます。
    1人に言ったことでも、他に伝播する可能性があって、いずれ多数に知れる可能性があるときは、「公然」といえるというのが判例実務です。
    この理論からすると、「多数」かどうかはほとんど意味がなくなります。

    私的には「多数」とは何か、という定義について、お答えした趣旨でした。

  • 相談者 183126さん

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    ありがとうございます。
    伝播しうるか否かの判断はどのように行うのでしょう?

    多数か否かよりも遥かに難しいように思うのですが。

この投稿は、2013年06月時点の情報です。
ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。

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